COLUMN / AI・DX
AI導入支援の依頼前準備|担当者が整理する4つの資料と進め方
この記事の要点
- AI導入支援を依頼する前に担当者が用意するのは、「業務一覧」「現状の手順」「使うデータ」「守るルール」の4つの資料です。完璧でなくても、下書きがあれば初回の相談が具体的になります。
- 4つの資料は、Claudeのプロジェクトに担当者のメモを入れて指示文で依頼すると、下書きまで短時間で作れます。
- 下書きは担当者が事実と照らして直し、社外に出す前に機密情報を取り除きます。
「AI導入支援を頼みたいが、何を準備すればよいか分からない」「最初の打ち合わせで何も説明できず、時間が過ぎてしまった」。社内でAI導入の窓口になった担当者から、このような悩みをよく聞きます。この記事では、依頼前に整理しておく4つの資料と、その下書きをClaudeで作る手順、そのまま使える指示文を紹介します。支援会社への依頼の流れそのものはAIコンサルの進め方、費用の見方はAIコンサルの費用も参考にしてください。
AI導入支援の依頼前準備とは?できること
AI導入支援の依頼前準備とは、支援会社に現状を正しく伝えるために、担当者が業務・手順・データ・ルールを事前に整理しておく作業です。整理が進んでいるほど、初回の相談から「どの業務をAIに任せるか」の議論に入れます。
流れは次のとおりです(文章での図解)。
担当者のメモ → Claudeのプロジェクトに保存 → 指示文で4つの資料の下書きを作成 → 担当者が事実を確認して修正 → 機密を除いて支援会社へ共有
業務の選び方そのものはAI化する業務の見つけ方で詳しく説明しています。この記事は、その結果を依頼に使える形にまとめる手順です。
準備するもの
準備するものは、Claudeの契約と担当者のメモ、そして機密情報の取り扱いを決めたルールです。
準備するもの | 内容 |
Claudeのプラン | プロジェクト機能は無料アカウントを含むすべてのユーザーが使えます(無料は最大5つまで)。チームで共有するならTeamまたはEnterpriseプランです。 |
担当者のメモ | 困っている業務、誰が・いつ・どれくらいの頻度で行うか、使っているツール名を箇条書きにしたもの。 |
サンプルデータ | 個人名や取引先名を消した、帳票や一覧のサンプル。 |
社内ルール | 入れてよい情報の線引き。未整備ならClaude 法人利用のルール作りの6項目で先に決めます。 |
確認する人 | 下書きの事実を確かめる業務の担当者1名。 |
設定の手順
設定は、プロジェクトを作ってメモを入れ、指示文を保存して実行する流れで、30分ほどで始められます。操作の詳細は公式ヘルプのプロジェクトとは何ですかで確認できます。使い方全般はClaudeのプロジェクトの使い方にもまとめています。
- Claudeの画面の左側メニューから「プロジェクト」を開き、新しいプロジェクトを作成して「AI導入支援の依頼準備」などの名前を付けます。
- プロジェクトのナレッジ(資料)に、担当者のメモとサンプルデータのファイルを追加します。個人名や取引先名は、追加する前に消しておきます。
- プロジェクトの指示の欄に、下の「そのまま使える指示文の例」を貼り付けて保存します。
- プロジェクト内で新しいチャットを開き、「業務一覧の下書きを作ってください」と依頼します。
- 出てきた業務一覧を、担当者が実際の業務と照らして直します。頻度や時間のように分からない項目は、空欄のまま残します。
- 続けて「現状の手順」「使うデータ」「守るルール」の下書きを順に依頼し、その都度直します。
- 4つが完成したら、機密情報が残っていないかを確かめてから、支援会社へ共有します。
4つの資料の中身は次のとおりです。
- 業務一覧:業務名、頻度、担当者、かかる時間、困りごと
- 現状の手順:作業の流れを順に書いたもの。判断が入る箇所に印を付ける
- 使うデータ:データの置き場所、形式(表・PDF・メールなど)、更新の頻度
- 守るルール:入れてはいけない情報、確認が必要な操作、最終判断をする人
そのまま使える指示文の例
指示文は【目的】【手順】【守るルール】【報告】の4つに分けて書くと、毎回同じ形の下書きが出ます。
【目的】
AI導入支援を依頼するために、自社の業務を整理する下書きを作る。担当者が確認して直す前提の下書きであり、完成版ではない。
【手順】
1. プロジェクトの資料(担当者のメモとサンプルデータ)だけを読む。
2. 依頼された資料(業務一覧/現状の手順/使うデータ/守るルール)を1つずつ作る。
3. 業務一覧は、業務名・頻度・担当者・かかる時間・困りごとの表にする。
4. 資料に書かれていない項目は推測で埋めず、「未確認」と書く。
5. 最後に、担当者が確認すべき点を3つまで挙げる。
【守るルール】
- 資料にない数字、事例、ツール名を作らない。
- 個人名・取引先名・認証情報が資料に含まれていたら、書き出さずに知らせる。
- 他社の事例や一般的な相場を書かない。
- AIに任せるかどうかの最終判断はしない。候補と理由の整理までにとどめる。
【報告】
- 依頼された資料の表を先に出し、その下に「未確認の項目」「担当者に確認したい点」を箇条書きにする。
- 不明な点が多いときは、作成を止めて質問を先に出す。
うまく動かすコツと注意点
うまく動かすコツは、一度に全部を作らず、資料を1つずつ作って担当者が直しながら進めることです。
- メモは完璧な文章でなくてよく、箇条書きで十分です。足りない部分は「未確認」として出させます。
- 下書きの事実は、必ず業務の担当者が確かめます。Claudeの出力をそのまま共有しません。
- サンプルデータは、個人情報や取引先名を消してから追加します。入れてよい情報は社内ルールに従います。
- 指示文は、出力にずれがあれば決まった欄を1か所ずつ直します。方法はClaudeの指示文を改善する方法が参考になります。
- 小さく試して確かめたい場合は、PoC(概念実証)の考え方で、範囲と成功の基準を先に決めます。
- 支援会社への共有は、社内の承認を得てから行います。
導入チェックリスト
- □ 困っている業務を担当者のメモとして箇条書きにした
- □ サンプルデータから個人名・取引先名・認証情報を消した
- □ 入れてよい情報の線引きを社内で決めた
- □ Claudeのプロジェクトを作り、指示文を保存した
- □ 4つの資料の下書きを、業務の担当者が確認して直した
- □ 未確認の項目を、初回の相談で聞くことに決めた
- □ 共有前に、社内の承認者へ内容を見せた
株式会社木立の実践
株式会社木立は、自社の沖縄のリゾートヴィラ企画・運営、不動産、マーケティングの事業で、Claudeのスケジュールタスクを使い、コラム記事の補充と予約投稿、Webサイトのアクセスの日次レポート、経営ダッシュボードの毎朝の更新、朝のブリーフィングなどを毎日自動で動かしています。どの業務も、先に「何を・どのデータで・どのルールで行うか」を書き出してから仕組みにしています。この整理が、依頼前の4つの資料と同じ役割です。株式会社木立のAIコンサルティングは、ヒアリング1回でその直後から始められ、決まったマニュアルを使わず、進め方・使うAI・成果物をすべてお客様ごとにオリジナルで設計します。
よくある質問
資料が1つもない状態でも相談できますか。
相談できます。木立のAIコンサルティングはヒアリング1回で直後から始められるため、整理そのものを一緒に進めることもできます。ただし、メモが少しでもあると初回の話が具体的になります。
4つの資料は、どれから作ればよいですか。
業務一覧からです。どの業務を対象にするかが決まらないと、手順・データ・ルールも決められないためです。
Claudeに社内の資料を入れても大丈夫ですか。
入れてよい情報は、プランの設定と社内ルールで決まります。迷う情報は入れず、個人名や認証情報は消してから使ってください。線引きの考え方はClaudeで機密情報を扱う線引きで説明しています。
費用はどのように決まりますか。
支援の範囲・期間・対象人数・成果物で決まります。木立のAIコンサルティングは6か月の伴走で、ライト月30万円・スタンダード月50万円・プレミアム月100万円(いずれも税抜・3名まで)です。詳細は無料の業務診断でご案内します。
まとめ
- 依頼前に担当者が用意するのは、業務一覧・現状の手順・使うデータ・守るルールの4つの資料で、下書きで十分です。
- Claudeのプロジェクトにメモを入れ、指示文で資料を1つずつ作り、業務の担当者が事実を確認して直します。
- わからない項目は「未確認」のまま初回の相談に持ち込み、機密情報は共有前に取り除きます。
AI導入の整理から運用までは、AIコンサルティング、AI開発、ニューロマーケティングのサービスで承っています。まずは無料の業務診断、またはお問い合わせからご相談ください。