COLUMN / AI・DX
RFM分析のやり方|Claudeで顧客を優良・休眠に分けて手を打つ
この記事の要点
- RFM分析とは、顧客を最終購入日・購入回数・購入金額の3つで点数化してグループに分け、グループごとに打ち手を変える分析で、顧客ごとの取引データをClaudeに渡せば集計できます。
- 結果を左右するのは、基準日、点数の区切り方、キャンセルや重複IDの扱いの3つで、指示文で固定しておくと毎回同じ条件で比べられます。
- RFMは過去の行動の分類であり、理由までは分かりません。分類の結果から打ち手の仮説を立て、小さく試して確かめます。
「リピーターを増やしたいが、誰に声をかければよいか分からない」という悩みは、顧客の数が増えるほど大きくなります。全員に同じ案内を送る代わりに、最近の来訪、回数、金額で顧客を分けると、優先して連絡する相手が見えてきます。この記事では、顧客ごとの取引データをClaudeに集計させてRFM分析を行う手順と、結果を読み違えないための盲点を、応用・運用の担当者向けに説明します。
RFM分析とは?できること
RFM分析とは、顧客を「最終購入日(Recency)」「購入回数(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3つの軸で点数化し、似た行動の顧客ごとにグループ分けする分析です。宿泊や小売、サービス業など、同じ顧客が繰り返し取引する事業で使われます。
Claudeでは、CSVをアップロードし、コード実行の機能で集計とグループ分けをさせられます。公式ヘルプによると、設定の Capabilities にある「Code execution and file creation」をオンにすると、ExcelやWordなどのファイルの作成のほか、CSVの分析ができます(公式ヘルプ:Create and edit files with Claude)。
この記事では、考え方をつかみやすいように、回数と最近の来訪の2軸に絞った4つのグループで説明します。金額は、各グループの中で連絡の優先順位をつけるときに使います。
準備するもの
準備するもの | 内容 |
|---|---|
Claudeのプラン | コード実行とファイル作成が使えるプラン。Teamでは既定でオンで、オーナーが組織の設定で管理します。 |
取引データ | 顧客ID・取引日・金額の3列をもつCSV。1行が1回の取引です。氏名や連絡先は入れず、IDに置き換えます。 |
基準日 | 「この日までの取引で見る」と決める日。結果を比べるときは同じ決め方に固定します。 |
除外の条件 | キャンセルや返金の行をどう扱うか。考え方はキャンセルと計上時期の記事が参考になります。 |
名寄せの確認 | 同じ顧客が別のIDで入っていないか。整え方はデータクレンジングの記事で解説しています。 |
担当者 | データを書き出す人と、結果から打ち手を決める人。 |
設定の手順
設定の手順は、目的と基準日を決める、データを書き出す、Claudeで機能をオンにしてCSVを渡す、集計結果を確かめる、の順です。次の番号どおりに進めてください。
- 分析の目的を一文で決めます。たとえば「再来訪の案内を送る相手を決める」です。あわせて基準日を決めます。
- 取引データを、顧客ID・取引日・金額の3列のCSVで書き出します。キャンセル行の扱いも決めておきます。
- Claudeの Settings を開き、Capabilities の「Code execution and file creation」をオンにします。
- 新しいチャットを開き、入力欄の左下の「+」ボタンから「Add files or photos」を選んでCSVを添付します。ファイルは1つ30MBまでです。
- 次の章の指示文を貼り付け、基準日と除外の条件を書き足して送信します。
- まず、行数・期間・欠けの確認結果を見ます。期待した件数と合っていれば、「集計を進めてください」と返します。
- グループ別の人数の合計が、元データの顧客数と一致しているかを確かめます。
- グループごとの金額は、平均と中央値を並べて見ます。平均だけが大きいときは、一部の大口顧客の影響です。
- Excelで受け取りたいときは、「.xlsxで出力してください」と依頼します。
- グループごとの打ち手を決めて実行し、次回は同じ基準日の決め方と区切りで再集計して、グループ間の移動を見ます。
そのまま使える指示文の例
指示文は、目的・手順・守るルール・報告の4つに分けて書きます。次の例は、社名やデータ名を入れていない一般的な形です。
【目的】
添付した取引データ(顧客ID、取引日、金額)から、顧客をRFMで4つのグループに分け、再来訪の案内を送る優先順位を決める材料を作る。
【手順】
1. 最初に、行数、期間、顧客数、欠けのある行の数を報告し、私の了承を待つ。
2. 基準日(自社が指定する日)を基準に、顧客ごとに最終取引日からの日数(R)、取引回数(F)、合計金額(M)を計算する。
3. R・F・Mを、それぞれ5段階の点数にする。区切りの値(日数・回数・金額)を表にして示す。
4. 最近来たか(Rが高いか)と、回数が多いか(Fが高いか)で、優良顧客・新規顧客・休眠予備軍・休眠顧客の4つに分ける。
5. グループごとに、人数、金額の平均と中央値を表にする。
【守るルール】
- 取引が1回だけの顧客が多いときは、Fの区切りが偏ることを報告し、実際の回数の分布を示す。
- キャンセルや返金の行は、自社の指定どおりに除外し、除外した行数を報告する。
- グループ別の人数の合計が、元の顧客数と一致することを確かめて報告する。
- 顧客の氏名や連絡先を推測しない。わからない項目は「不明」と書く。
- 結果の理由を断定せず、「考えられる理由」として分ける。
【報告】
①確認結果 ②区切りの値の表 ③グループ別の集計表 ④気づいた点と注意点、の順で出す。必要なら.xlsxでも出力する。うまく動かすコツと注意点基準日を変えると、同じ顧客でもグループが変わります。比べるときは、基準日の決め方を固定して記録します。金額の大きい一部の顧客に平均が引っぱられます。平均と中央値を並べ、差が大きいときは大口の顧客を分けて見ます。取引が1回だけの顧客が大半だと、回数で差がつきません。回数の分布を先に見て、区切りを決めます。キャンセルや返金を含めたまま数えると、実際に来ていない顧客が優良に入ることがあります。除外の条件を先に決めます。同じ顧客が別のIDで重複していると、回数が分散します。集計の前に名寄せを確認します。複数の数字を掛け合わせて見る考え方は、クロス集計の盲点の記事にまとめています。RFMは過去の行動の分類で、離れた理由までは分かりません。打ち手は仮説として小さく試し、反応を確かめます。導入チェックリスト□ 分析の目的を一文で決めた□ 基準日の決め方を決め、記録した□ 顧客ID・取引日・金額の3列のCSVを用意し、氏名と連絡先を外した□ キャンセルや返金の扱いを決めた□ 同じ顧客の重複IDがないかを確認した□ グループ別の人数の合計が、元の顧客数と一致することを確かめた□ 次回の再集計の時期を決めた株式会社木立の実践株式会社木立は、会計ソフト、宿泊の予約管理、広告、問い合わせ、社内の顧客管理などのデータを集めて一画面にまとめる経営ダッシュボードを、Claudeのスケジュールタスクで毎朝更新し、役員向けにSlackで通知しています。複数のデータを掛け合わせて偏りを見つける考え方は、RFM分析と共通しています。株式会社木立のAIコンサルティングは、ヒアリング1回でその直後から始められ、決まったマニュアルを使わず、進め方・使うAI・成果物をすべてお客様ごとにオリジナルで設計します。
よくある質問
RFM分析は何件くらいのデータから使えますか?
決まった件数の目安はありません。ただし顧客が少ないと、1人の動きでグループの人数が大きく変わります。人数が少ないときは、点数の段階を減らすか、グループの人数と一緒に一覧を見て判断します。
RFMの点数は、何段階に分けるのがよいですか?
5段階がよく使われますが、決まりはありません。取引が1回だけの顧客が多いときは、段階を減らしたほうが読みやすくなります。区切りの値を表で示させ、実際の回数や金額と照らして決めます。
顧客の氏名や連絡先を渡してもよいですか?
分析には顧客IDと取引の情報があれば足りるため、氏名や連絡先は外してIDに置き換えることをおすすめします。渡してよい範囲は、社内のルールに沿って決めてください。
RFM分析の結果は、どのくらいの頻度で更新すればよいですか?
事業の来訪サイクルに合わせて決めます。月に1回や四半期に1回など、同じ基準日の決め方で再集計し、グループ間の移動を見ると変化に気づけます。
まとめ
- RFM分析は、最終購入日・購入回数・購入金額で顧客をグループに分け、グループごとに打ち手を変える分析です。
- 基準日、点数の区切り、キャンセルと重複IDの扱いを指示文で固定すると、毎回同じ条件で比べられます。
- 結果は仮説の材料です。小さく試して、反応を確かめながら進めます。
顧客データの分析を自社に合わせて設計したい方は、AIコンサルティングをご覧ください。ご相談はお問い合わせからお受けしています。