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多層防御と実例

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多層防御と実例

Cloudflareが守るところと、自社で守るところ。世界最大級の会社でも狙われた実例から、守りを重ねる考え方を説明します。

Cloudflareの中のOS

Cloudflareの中のOSと「Cloudflare OS」

Cloudflareのサーバーも、中ではOS(Linux)で動いています。2026年8月には「Cloudflare OS」という名前の仕組みも公開されましたが、こちらは本来の意味のOSではありません。

Cloudflareのサーバー1台の中身

AIエージェント・アプリ資料作成・社内データ活用
Cloudflare OSAIワークスペース(2026年8月〜)
プロキシ・WAF・CDN/Workersの実行環境Cloudflareの基盤ソフト(workerd・V8)。お客様サイトの通信はここを通る
Linux(Debian系)カーネル 6.12 LTS中心 → 6.18 LTSへ移行中
ハードウェア世界330都市以上のサーバー

名前は「OS」でも中身はアプリ基盤(Cloudflare OS)

  • Workersの上で動くAI業務ツール
  • 2026年8月5日公開、オープンソース
  • 公式も「従来のOSではない」と説明

こちらが本来の意味のOS(Linux)

  • Cloudflareが自社で管理・更新
  • 約28日ごとに全拠点で新しいカーネルへ
  • 利用者からは見えない・触れない

LTS=長期間、修正が提供される版/カーネル=OSの中心部分/Debian=Linuxの種類の1つ/workerd・V8=Workersを動かす実行の仕組み。

守りの分担

Linuxは攻撃される? 守りを分担する

攻撃者不正アクセス
1. CloudflareDDoS・WAF・ボット
入口で検査
サーバーの住所を隠す
Cloudflareが守る
2. サーバーの入口設定セキュリティグループ
Tunnelで受け口を閉じる
管理用SSHは閉じる
3. サーバーのLinuxOSを定期的に更新
(自動更新も可能)
4. アプリ予約・会員など
管理画面は2段階認証

2〜4は自社(サーバー側)で守る。Cloudflareを迂回した直接攻撃は、2の入口設定で届かないようにする

1つの層が破られても、次の層で止める「多層防御」
Cloudflareは入口を守りますが、サーバーのOSを更新してくれるわけではありません。

Cloudflareの住所だけを通す設定は、攻撃者が自分のCloudflareアカウントを経由すると通り抜けられます。Tunnel(サーバーからCloudflareへ専用の通り道を張り、外からの受け口を閉じる仕組み)か、認証付き接続(自社専用の証明書で、自社のCloudflareからの通信かを確かめる設定)を必ず使います。SSH=サーバーを遠隔操作する管理用の入口。

実例

Cloudflare自身の対応と被害

2026年4月

Linuxの弱点「Copy Fail」

Linuxの中心部分に、管理者の権限を奪える深刻な弱点(CVE-2026-31431)が見つかりました。Cloudflareのサーバーも対象でした。

  1. 4月29日弱点が公表される
  2. 4月30日全世界に応急処置(再起動なしで入口を封鎖)
  3. 5月4日修正済みのカーネルへの入れ替えを開始
  4. 結果悪用の形跡なし・お客様データへの影響なし・停止なし
2023年11月

社内システムへの侵入

国家の支援を受けているとみられる攻撃者が、社内の共有資料(Wiki)や課題管理のツールに侵入しました。

原因はLinuxの弱点ではなく、別の会社(Okta)への攻撃で盗まれ、更新されずに残っていた認証情報でした。

お客様のデータやシステムへの影響はなかったと発表されています。

教訓:攻撃はOSの弱点よりも「人や運用のすき」を狙うことが多くあります。認証情報の管理・更新も守りの一部です。

CVE=弱点ごとの世界共通の番号/Okta=ログイン管理サービスの会社/Wiki=社内で共有する書き込み式の資料。

木立の対応

Air Guardでは、4つの層をすべて見ます

  1. 入口Cloudflareの防御の設定(WAF・ボット・DDoS)
  2. サーバーの入口Tunnelで受け口を閉じ、管理用の入口を閉じる
  3. サーバーPHP・OSを定期的に最新にする
  4. アプリと人管理画面の2段階認証、権限とパスワードの管理

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