COLUMN / AI・DX
ClaudeでPDFの表をデータ化する方法|帳票を集計表にする手順
この記事の要点
- ClaudeでPDFの表をデータ化するには、PDFを添付し、取り出す列と形式を指示文で決めてExcelに出力させます。
- 公式ヘルプでは、100ページ未満のPDFは文字だけでなく、表や図などの見た目も読み取れると案内されています。
- PDFの合計とExcelの合計を照らし合わせる手順を指示文に入れると、転記ミスに気づきやすくなります。
取引先から届く請求書や明細、システムから出力された帳票がPDFしかなく、毎月Excelに手で入力し直している担当者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、ClaudeにPDFを渡して表の中身を取り出し、集計に使えるExcelの表にするまでの設定手順と、そのまま使える指示文、転記ミスを防ぐ確認の仕方を説明します。
PDFの表のデータ化とは?できること
PDFの表のデータ化とは、PDFに印刷された表の数字や文字を取り出し、並べ替えや合計ができる「1行1件」の表に作り直すことです。ClaudeはPDFを添付すると内容を読み取り、コード実行とファイル作成の機能(Code execution and file creation)を使ってExcelのファイル(.xlsx)として出力できます。
この仕組みで、次のような作業を任せられます。
- 複数の請求書PDFから、日付・取引先・品目・金額を一つの表にまとめる
- ページをまたいだ明細を、切れ目なく1行1件に並べる
- PDFに書かれた合計と、取り出した明細の合計を照らし合わせる
- 仕上がった表をExcelでダウンロードしたり、Googleドライブに保存したりする
ファイルの添付についての公式ヘルプでは、100ページ未満のPDFは画像やグラフなどの見た目も含めて分析できると案内されています。表の罫線や列の並びが崩れた帳票でも、取り出したい列を指示すれば整理しやすくなります。
準備するもの
準備するものは、コード実行とファイル作成が使えるClaudeのプラン、対象のPDF、そして「どの列を取り出すか」を決めた見本の表です。
| 準備するもの | 内容 |
|---|---|
| Claudeのプラン | コード実行とファイル作成の機能が使えるプラン(Free・Pro・Max・Team・Enterprise)。機能がオンになっていること |
| 対象のPDF | 請求書、明細、帳票など。チャットへの添付は1ファイル30MBまで、1つのチャットで20ファイルまで |
| 見本の表 | 取り出したい列の名前と並び順(例:日付・取引先・品目・数量・金額)。一度作れば毎月使える |
| 書き方のルール | 日付の形(年-月-日など)、金額の税込・税抜き、取引先名の表記のそろえ方 |
| 確認する担当者 | 取り出した表とPDFを見比べ、合計が合うかを確かめる人 |
設定の手順
設定は、機能をオンにしてPDFを添付し、見本の表と指示文で取り出し方を決め、合計を照合する順番で進めます。
- Claudeの「設定(Settings)」から「Capabilities」を開き、「Code execution and file creation」をオンにします。TeamとEnterpriseでは、組織の設定でオーナーが管理しています。
- データ化するPDFを1つのフォルダに集め、ファイル名を「年月_取引先」のようにそろえます。20ファイルを超える場合は、月や取引先ごとに分けます。
- 取り出したい列の名前と並び順を決め、見本の表としてメモします。
- Claudeで新しいチャットを開き、入力欄からPDFを添付します。
- 下の「そのまま使える指示文の例」を貼り付け、列の名前と書き方のルールを自社に合わせて書き換えて送信します。
- Claudeが作ったExcelを開き、「照合結果」のシートでPDFごとの合計が一致しているかを確認します。
- 一致しないPDFや「要確認」の印がついた行を、担当者がPDFと見比べて直します。
- 仕上がった表をダウンロードするか、Googleドライブに保存します。毎月続ける場合は、プロジェクトに指示文と見本の表を置いておくと、次回はPDFを添付するだけで始められます。
そのまま使える指示文の例
次の指示文は、列の名前と書き方のルールを書き換えるだけで、請求書以外の帳票にも使えます。
【目的】 添付した自社の〇〇(例:仕入れ先からの請求書)のPDFから明細を取り出し、集計に使えるExcelの表を作ってください。 【手順】 1. 添付したPDFのファイル名とページ数を一覧にしてください。 2. 各PDFの明細を、次の列の順に1行1件で取り出してください:ファイル名/日付/取引先/品目/数量/単価/金額。 3. 日付は「年-月-日」、金額はカンマや「円」を除いた数値にそろえてください。 4. PDFごとに、取り出した金額の合計とPDFに書かれた合計を比べてください。計算はコードを実行して行ってください。 5. 「明細」と「照合結果」の2シートを持つExcelファイルを作ってください。 【守るルール】 ・読み取れない文字や自信のない数字は推測で埋めず、その行に「要確認」と書いてください。 ・小計・消費税・合計の行は明細に含めず、照合にだけ使ってください。 ・口座番号など、集計に使わない情報は表に入れないでください。 【報告】 ・作成したExcelファイル ・PDFごとの照合結果(一致/不一致と差額) ・「要確認」の行の一覧と、その理由
うまく動かすコツと注意点
うまく動かすコツは、取り出す列を先に決め、合計の照合を毎回の手順に入れることです。
- 「表を取り出して」とだけ伝えるより、列の名前と並び順を指定したほうが、毎月同じ形の表になります。
- 合計の照合は、読み取りの誤りに気づくための大切な手順です。不一致が出たら、そのPDFだけを人が見直せば済みます。
- スキャンしたPDFで文字がかすれていると、数字を読み違えることがあります。できるだけ元のデータから作られたPDFを使います。
- 口座番号や個人の住所など、集計に不要な情報は表に入れないよう指示します。社内の扱い方は生成AIの情報漏えい対策も参考にしてください。
- 公式ヘルプでは、ファイル作成は通常のチャットより多くの利用量を使うこと、作られたファイルは確認が必要なことが案内されています。一度に大量に処理せず、区切って進めます。
- 取り出した表を月次の集計につなげる場合は、会計ソフトと連携した管理会計の自動化の考え方も役立ちます。
導入チェックリスト
- □ Code execution and file creation がオンになっている
- □ 取り出す列の名前と並び順を決めた
- □ 日付・金額・取引先名の書き方のルールを決めた
- □ PDFのファイル名をそろえ、1回20ファイル以内に分けた
- □ 合計の照合を指示文に入れた
- □ 「要確認」の行を見直す担当者を決めた
- □ 集計に不要な個人情報を表に入れないよう指示した
株式会社木立の実践
株式会社木立では、会計ソフト(freee 等)と連携した管理会計レポートの自動化や、補助金の調査・申請書類作成の効率化など、数字や書類を扱う業務にAIを取り入れています。また、Claudeのスケジュールタスクで、会計ソフトや予約管理などのデータを集めた経営ダッシュボードを毎朝更新しています。データがシステムから直接取れないときに、PDFを整った表にする手順があると、集計の仕組みに組み込みやすくなります。定期の集計の進め方はデータ集計・レポート作成を自動化する方法でも紹介しています。株式会社木立のAIコンサルティングは、ヒアリング1回でその直後から始められ、決まったマニュアルを使わず、進め方・使うAI・成果物をすべてお客様ごとにオリジナルで設計します。
よくある質問
スキャンしたPDFでも表を読み取れますか?
公式ヘルプでは、100ページ未満のPDFは画像やグラフなどの見た目も含めて分析できると案内されています。ただし文字がかすれていると読み違いが起きやすいため、合計の照合と人の確認を組み合わせます。
一度に何個のPDFを処理できますか?
公式ヘルプでは、チャットへの添付は1ファイル30MBまで、1つのチャットで20ファイルまでと案内されています。それより多い場合は、月や取引先ごとに分けて処理します。
読み取った数字が正しいかどうか確かめる方法はありますか?
PDFに書かれた合計と、取り出した明細の合計を照らし合わせるのが基本です。一致しないPDFと「要確認」の行だけを人が見直すと、確認の手間を抑えられます。
作った表を会計ソフトに取り込めますか?
会計ソフトの取り込み形式に合わせた列の並びで表を作らせると、取り込みの手間を減らせます。取り込み形式は各会計ソフトの案内で確認し、取り込む前に担当者が内容を確認します。
まとめ
- ClaudeにPDFを添付し、取り出す列と形式を指示すると、集計に使えるExcelの表を作れます。
- 見本の表と書き方のルールを決めておくと、毎月同じ形で取り出せます。
- PDFの合計との照合と「要確認」の印で、人が見るべき箇所を絞り込みます。
帳票のデータ化から集計の自動化までを自社に合わせて整えたい方は、AIコンサルティングのページをご覧いただくか、お問い合わせからお気軽にご相談ください。