COLUMN / AI・DX
経路別ファネル分析のやり方|Claudeで広告費から成約までつなぐ手順
この記事の要点
- 経路別ファネル分析は、広告費・リード・商談・成約のデータを経路ごとに1本の表につなぎ、Claudeに段階ごとの移行率と1件あたりの費用を計算させると、毎月同じ手順で進められます。
- リード数だけで比べると、成約につながらない経路に予算が偏ることがあります。段階ごとの数字を並べると、どこで止まっているかが分かります。
- 集計期間のずれ、経路名の表記ゆれ、成約までの時間差を指示文のルールに入れておくと、毎回の分析が安定します。
「広告からの問い合わせは増えているのに、売上が伸びない」という悩みは、広告・問い合わせ・営業の数字が別々のツールに分かれていると起きやすくなります。この記事では、応用・運用を担当する方に向けて、経路ごとに広告費からリード、成約までを1本につなぎ、Claudeで分析する手順を解説します。単独の数字の見方から一歩進み、複数のデータを掛け合わせて判断するための手順書です。
経路別ファネル分析とは?できること
経路別ファネル分析とは、広告や検索、紹介などの流入経路ごとに、接触からリード(問い合わせや資料請求をした見込み客)、商談、成約までの各段階の人数と移行率を並べ、どこで離脱しているかを見つける分析です。Claudeを使うと、別々のツールにあるデータを経路名でそろえて1つの表にし、段階ごとの率と費用を毎月同じ形で計算できます。
たとえば、リード単価(1件のリード獲得にかかった費用)が安い経路でも、商談に進む率が低ければ、成約1件あたりの費用は高くなります。ファネル分析は、この「入り口の数字と出口の数字の食い違い」を見える形にします。
準備するもの
準備するものは、経路ごとの費用・リード・商談・成約のデータと、それを読み込めるClaudeの環境です。最初は手元のCSVファイルからでも始められます。
| 準備するもの | 内容 |
|---|---|
| Claudeのプラン | ファイルの読み込みと集計ができる有料プラン。定期実行する場合はスケジュールタスクが使えるプラン(Pro・Max・Team・Enterprise) |
| 広告のデータ | 媒体ごと・月ごとの広告費。広告管理画面から出力したCSVで構いません |
| リードのデータ | 問い合わせフォームや顧客管理の記録。受付日と流入経路が分かる列が必要です |
| 商談・成約のデータ | 顧客管理や営業の記録。リードと同じ顧客IDで突き合わせられる形が理想です |
| 経路名の対応表 | 「Google広告」「google_cpc」など表記の違う経路名を1つにそろえる表 |
| 担当者 | 分析結果を読んで予算配分を判断する人と、データを用意する人 |
設定の手順
設定は、データをそろえる、経路名を統一する、段階ごとに集計する、結果を点検する、の順で進めます。Claudeの画面で1つずつ指示すれば、初回でも進められます。
- 広告・リード・商談・成約の4種類のデータを、同じ期間(例:前月1日〜末日)で出力します。
- Claudeの新しい会話を開き、4つのファイルと経路名の対応表を添付します。
- 「各ファイルの列名と件数、期間を一覧にしてください」と指示し、読み込みの漏れがないか確認します。
- 対応表をもとに経路名を統一させ、どの対応表にも当てはまらない経路名を一覧で出させます。
- 経路ごとに、広告費・リード数・商談数・成約数・各段階の移行率・リード単価・成約単価を1つの表にまとめさせます。
- 前月や3か月平均と比べて、移行率が大きく変わった経路を抜き出させます。
- 結果の表を確認し、問題がなければ、同じ指示文をスケジュールタスクに登録して毎月自動で動かします。
スケジュールタスクは、Claudeの画面左側のサイドバーにあるスケジュールタスクの画面から、新しいタスクを作成して登録します。設定方法は公式ヘルプのCoworkで定期的なタスクを設定する方法(英語のページ)で確認できます。
そのまま使える指示文の例
次の指示文は、自社の経路名や段階の名前に置き換えるだけで使えます。会話で試して結果を確かめてから、スケジュールタスクに登録してください。
【目的】 自社の流入経路ごとに、広告費からリード・商談・成約までの流れを1つの表にまとめ、どの段階で止まっているかを見つける。 【手順】 1. 添付(またはコネクタ)の広告費・リード・商談・成約のデータを読み込み、各データの期間と件数を一覧にする。 2. 経路名の対応表で経路名を統一する。対応表にない経路名は「未分類」とし、一覧に出す。 3. 経路ごとに、広告費、リード数、商談数、成約数、リード→商談の率、商談→成約の率、リード単価、成約単価を表にする。 4. 前月と直近3か月平均と比べ、移行率が大きく変わった経路を3つまで挙げ、考えられる理由を書く。 【守るルール】 ・4つのデータの期間がそろっていない場合は、集計せずにそのことを報告する。 ・成約は商談から時間がかかるため、当月の成約率は「暫定」と明記する。 ・件数が少ない経路(例:リード10件未満)は率の比較をせず、件数だけを示す。 ・データにない数字を推測で補わない。 【報告】 最初に結論を3行で書き、その後に経路別の表、変化の大きい経路、確認が必要な点の順で報告する。
うまく動かすコツと注意点
分析の質を左右するのは、Claudeへの指示よりも、データの期間と経路名をそろえることです。次の点を最初に決めておくと、毎月の結果を比べやすくなります。
- 集計の基準日を決めます。リードは受付日、成約は契約日など、段階ごとにどの日付を使うかを指示文に書きます。
- 成約までに時間がかかる商材では、単月の成約率が低く見えます。数か月の累計でも比べるよう指示すると、見かけの変化に振り回されにくくなります。
- キャンセルや重複した問い合わせを除くかどうかを決め、毎回同じ扱いにします。
- 件数が少ない経路の率は大きくぶれます。件数の下限を決めて、率の比較から外します。
- Claudeの集計結果は、最初の数回は元データの合計と照らし合わせて確認します。
- 顧客の氏名や連絡先は分析に不要です。出力前に削った列だけを渡すと、情報の扱いが安全になります。
単独の数字の見方や、複数データを掛け合わせる基本はデータ集計・レポート作成を自動化する方法で、効果の測り方はAI導入の費用対効果の測り方で解説しています。
導入チェックリスト
- □ 広告費・リード・商談・成約のデータを同じ期間で出力できる
- □ 経路名の対応表を作り、表記ゆれをそろえた
- □ 段階ごとに使う日付(受付日・商談日・契約日)を決めた
- □ キャンセル・重複の扱いと、件数の下限を決めた
- □ 初回の結果を元データの合計と照らし合わせた
- □ 結果を読んで予算配分を判断する担当者を決めた
株式会社木立の実践
株式会社木立では、Claudeのスケジュールタスクで経営ダッシュボードを毎朝更新し、役員向けにSlackで知らせています。ダッシュボードには、会計ソフト・宿泊の予約管理・広告・問い合わせ・社内の顧客管理などのデータを集めて一画面にまとめています。広告と問い合わせ、顧客管理のデータを同じ画面に並べることで、経営の数字を毎日確認できるようにしています。株式会社木立のAIコンサルティングは、ヒアリング1回でその直後から始められ、決まったマニュアルを使わず、進め方・使うAI・成果物をすべてお客様ごとにオリジナルで設計します。
よくある質問
顧客管理ツールがなくてもファネル分析はできますか?
できます。問い合わせと成約を表計算ソフトで管理していれば、そのファイルをClaudeに渡して集計できます。顧客IDなど、リードと成約を結びつける列があると精度が上がります。
どのくらいの頻度で分析するのがよいですか?
月に1回が始めやすい頻度です。成約までの期間が長い商材では、単月に加えて3か月の累計でも比べると、判断がぶれにくくなります。
Claudeの計算結果は信用してよいですか?
最初の数回は、元データの合計と表の合計が一致するかを人が確認してください。確認の手順を指示文に入れておくと、ずれがあったときにClaude自身が報告するようになります。
広告の管理画面のデータを自動で取り込めますか?
使っている広告サービスに対応するコネクタがあれば、Claudeから直接データを読み込めます。対応していない場合は、管理画面から出力したCSVを使う方法で十分に始められます。
まとめ
- 経路別ファネル分析は、経路ごとに費用・リード・商談・成約を1本の表につなぐことで、止まっている段階を見つける方法です。
- 期間・経路名・日付の基準をそろえ、指示文のルールに書いておくと、Claudeで毎月同じ分析ができます。
- 入り口の数字だけで判断せず、成約単価と移行率まで並べて予算配分を見直しましょう。
自社のデータで経路別の分析を始めたい方は、AIコンサルティングの内容をご覧のうえ、お問い合わせください。