COLUMN / AI・DX
予約リードタイム分析のやり方|Claudeで先の予約の伸びを読む
この記事の要点
- 予約リードタイム分析は、予約日から宿泊日までの日数を帯に分け、宿泊月ごとに件数の割合を並べるクロス集計で進めます。
- 先の月の予約が少なく見えても、直前の予約が多い月なら心配のいらないことがあります。比べるときは「宿泊日の何日前の時点か」をそろえます。
- Claudeに予約データを渡し、リードタイムの表と同じ時点どうしの比較表を毎回同じ手順で作らせると、見かけの増減に振り回されにくくなります。
来月の予約が前年より少ない。値下げをするべきか、広告を増やすべきか。宿泊施設やサービス業の運営では、先の予約数を見て判断に迷う場面がよくあります。ところが、予約が入るタイミングは月や季節によって違うため、今の件数だけを比べると判断を誤ることがあります。この記事では、応用・運用向けに、予約リードタイムの考え方と、Claudeで集計して盲点を見つける手順を解説します。
予約リードタイム分析とは?できること
予約リードタイムとは、予約が入った日から宿泊日(利用日)までの日数のことです。予約リードタイム分析とは、この日数を「0〜7日前」「8〜30日前」のような帯に分け、宿泊月や予約経路ごとに件数の割合を並べて、予約の入り方の違いを読み取る分析です。
この分析で見えるのは、「いつ頃までに、どれくらいの予約が入るのが普通か」です。その形が分かると、先の月の予約が少ないときに、本当に弱いのか、まだ予約が入る時期が来ていないだけなのかを区別できます。Claudeには、予約データからリードタイムを計算し、帯ごとのクロス集計表と、同じ時点どうしの比較表を作る作業を任せます。
準備するもの
準備するものは、Claudeのファイル作成とコード実行の機能、予約データ、前年など比べる期間のデータ、集計のルール、結果を読む担当者です。
| 準備するもの | 内容 |
|---|---|
| Claudeの機能 | 「コード実行とファイル作成」をオンにしたClaude。CSVの集計とExcelでの出力に使います。 |
| 予約データ | 1行1予約で、予約日・宿泊日・泊数・状態(確定・キャンセル)・予約経路の列があるCSV。 |
| 比べる期間のデータ | 前年の同じ時期など、予約の入り方を比べる相手のデータ。予約日が残っている必要があります。 |
| 集計のルール | リードタイムの帯の区切り、キャンセルの扱い、数える単位(予約件数か泊数か)を決めたメモ。 |
| 担当者 | 結果を読んで、料金や広告の判断につなげる人。 |
「コード実行とファイル作成」の設定場所は、公式ヘルプのClaudeでファイルを作成・編集するで確認できます。
設定の手順
手順は、データを整える、リードタイムの表を作る、同じ時点どうしで比べる、の3段階です。
- 予約管理の画面から、比べる2つの期間の予約データをCSVで書き出します。
- Claudeの設定で「コード実行とファイル作成」がオンになっていることを確認します。
- 新しい会話にCSVを添付し、指示文の【手順】1〜2で列名と件数を確認させます。
- キャンセルの扱いと数える単位を伝え、宿泊月×リードタイム帯のクロス集計表を作らせます。
- 「宿泊日の30日前の時点」など基準の時点を決め、その時点で入っていた予約だけを数えた比較表を作らせます。
- 結果をExcelで受け取り、元データの件数と表の合計が一致するかを確かめます。
- 毎月使う場合は、指示文をプロジェクトに保存し、同じ形で集計させます。
そのまま使える指示文の例
次の指示文は、予約データのCSVを添付した会話に貼り付けて使います。〇〇の部分は自社のデータに合わせて書き換えます。
【目的】 添付した自社の予約データから予約リードタイムを計算し、予約の入り方の違いと、同じ時点どうしの予約の進み具合を比べる。 【手順】 1. 列名、行数、予約日と宿泊日の範囲を確認して答える。 2. 予約日や宿泊日が空欄の行、宿泊日が予約日より前の行を数え、集計から外して一覧にする。 3. 宿泊日から予約日を引いてリードタイム(日数)を計算する。 4. 「0〜7日前」「8〜30日前」「31〜90日前」「91日以上前」の帯に分け、宿泊月×帯の件数と割合の表を作る。 5. 〇〇(予約経路)別にも同じ表を作る。 6. 対象の宿泊月について、宿泊日の〇日前の時点で入っていた予約を、今年と前年で比べる表を作る。 【守るルール】 ・キャンセルされた予約は〇〇(含める/除く)として数え、どちらで数えたかを表に書く。 ・数える単位は〇〇(予約件数/泊数)にそろえる。 ・前年の数字は、今年と同じ時点までに入っていた予約だけで数える。 ・データにない値を推測で補わない。 【報告】 Excelファイルで、シート「リードタイム表」「経路別」「同時点比較」「除外した行」を作る。 会話では、割合の形が他の月と大きく違う宿泊月と、同時点比較で差が大きい月を3つまで、理由の候補とあわせて箇条書きで答える。
うまく動かすコツと注意点
うまく動かすコツは、比べる時点・数える単位・キャンセルの扱いの3つを毎回そろえることです。
- キャンセルを除くと、直前にキャンセルが多い月は、過去の時点の予約が実際より少なく見えます。比べる目的に合わせて、含めるか除くかを決めて固定します。
- リードタイムの形は、予約経路によって違うことがあります。全体の表だけでなく、経路別の表も並べると、どこで変化が起きたかが分かりやすくなります。
- 件数が少ない月は、割合が大きく動いて見えます。割合の横に件数も必ず並べます。
- 大型連休やイベントのある月は、例年と形が違って当然です。比べる相手の月を選ぶときに注意します。
- 表を作る前の点検は数字の異常チェックをClaudeで自動化、経路ごとの成果の見方は経路別ファネル分析のやり方も参考になります。
導入チェックリスト
- □ 予約日・宿泊日・状態・経路の列がそろったCSVを用意した
- □ リードタイムの帯の区切りを決めた
- □ キャンセルの扱いと数える単位を決めて指示文に書いた
- □ 比べる時点(宿泊日の何日前か)を決めた
- □ 割合の横に件数を並べる形にした
- □ 元データの件数と表の合計の一致を確かめた
- □ 指示文を保存し、毎月同じ形で集計できるようにした
株式会社木立の実践
株式会社木立は、沖縄でリゾートヴィラの企画・運営を行っており、複数のOTA(Booking.com、楽天トラベル、Airbnbなどの宿泊予約サイト)からの宿泊データの自動取得と市場分析に取り組んでいます。また、Claudeのスケジュールタスクで、宿泊の予約管理や会計ソフトなどのデータを集めた経営ダッシュボードを毎朝更新し、役員にSlackで知らせています。予約の数字は、どの日を基準に数えるかで見え方が大きく変わるため、数え方をそろえてから比べることを大切にしています。宿泊業でのデータ活用はAI需要予測は宿泊業で使えるかでも紹介しています。株式会社木立のAIコンサルティングは、ヒアリング1回でその直後から始められ、決まったマニュアルを使わず、進め方・使うAI・成果物をすべてお客様ごとにオリジナルで設計します。
よくある質問
リードタイムの帯はどう区切ればよいですか?
自社の予約の入り方に合わせて決めます。直前の予約が多い業種なら直前の帯を細かくし、早めの予約が多いなら先の帯を細かくします。一度決めたら、比べる期間の間は変えないことが大切です。
予約件数と泊数のどちらで数えるべきですか?
予約の入り方を見るなら予約件数、売上や稼働への影響を見るなら泊数が向いています。どちらで数えたかを表に明記し、途中で混ぜないようにします。
前年のデータに予約日が残っていない場合はどうしますか?
同じ時点どうしの比較はできないため、まずは今年のデータでリードタイムの表を作り、今後のために予約日を残す運用を始めます。予約管理の画面で予約日を書き出せるかも確認します。
毎月自動で集計させることはできますか?
予約データをコネクタで読み取れる場合は、Claudeのスケジュールタスクで定期的に集計させる方法があります。最初は手動で数回試し、結果が安定してから定期実行に移します。
まとめ
- 予約リードタイム分析は、予約日から宿泊日までの日数を帯に分け、宿泊月ごとの割合を並べて進めます。
- 先の予約を比べるときは、「宿泊日の何日前の時点か」をそろえて見かけの増減を防ぎます。
- Claudeに同じ指示文で毎回集計させ、件数・キャンセル・単位の扱いを固定します。
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